営業研修の成果が出ない理由は、評価方法が受講後のアンケートだから?

昨年は新型コロナウイルスの影響で景況感が大きく悪化、テレワークが進むなど働き方にも大きな変化が発生し企業の売上を支える営業部門にも大きな変化が必要となり改善が求められました。その為、その様な事態に対応する為の営業研修の重要性も大きくなり、今まで以上に研修には具体的な成果が求められるようになって来ています。そこで、今回は営業研修の成果指標に関して考えてみたいと思います。

■成果指標がアンケートやテストだと何が起こるのか?

現在、多くの企業では営業研修の成果指標にアンケートやテストが用いられていますが、営業研修の成果検証がアンケートやテストの場合は何が問題なのでしょうか?

最初に浮かぶのは、営業研修は営業の最大の目的である受注・売上をアップする為のスキル補完業務にもかかわらず、アンケートやテストではそれを検証できないという事実があります。

また、別の問題点として営業研修の成果検証をアンケートにした場合、営業研修の担当者は研修の評価を良くしたいばかりに意図してはいないかもしれませんが、どうしても受講者である営業マンにある種の迎合した研修内容になってしまい、本来の目的から外れてしまう危険性が出てきます。

これは、研修を実施する講師も同様で受講者からの評価を上げる為に意図的に漫談の様な面白おかしい話を研修に入れていきます。そうすると受講者の評価は上がるのですが、肝心の覚えてほしい営業スキルの内容は面白い話の印象と反比例して薄くなり本来の目的である営業スキルのアップからは遠く離れてしまいます。

テストの場合も同様で、営業研修の受講者にとってテストの点は本来の目的である受注や売上数字とは無関係であるにもかかわらず自分自身の評価に関係することから、本来業務とは別にテスト勉強という不要といっては言い過ぎかもしれませんが受注活動とは別の業務が発生する原因となってしまいます。

■なぜ多くの企業で研修の成果指標はアンケートやテストなのか?

では、なぜ現在多くの企業では営業研修の成果指標にアンケートやテストが用いられるのでしょうか?

その理由は色々あるのだとは思いますが、最も大きな理由は研修担当者を含めて関係各所に多くの負担がかかるからというものだと思います。つまり、営業研修の成果指標がアンケートやテストが最良だとは研修担当者も本音では思っていないのですが、関係者との調整時間や労力を考えて仕方なくアンケートやテストという段階で止まってしまっているという事実です。

■研修は何を目的に実施されるべきなのか?

ここで、そもそも営業研修を実施する目的を思い出してみてほしいのですが、それは営業マンの受注・売上数字のアップにほかなりません。

ところが、今まで見てきたように営業研修の成果指標がアンケートやテストでは、それを実現・サポートできないばかりかむしろ遠のいてしまう原因にもなりかねません。

実は、研修の効果測定方法には「カークパトリックモデル」というアメリカの経営学者のカークパトリック博士が考案した教育の評価法のモデルがあります。

そのカークパトリックモデルとは、研修効果の測定レベルを4段階で評価する理論です。

・レベル1:Reaction(反応)
研修受講後のアンケートなどによる研修に対する満足度の測定

・レベル2:Learning(学習)
テストやレポートによる研修内容の理解度・到達度への評価

・レベル3:Behavior(行動)
研修後の受講者へのインタビューや上司などによる行動変容への評価

・レベル4:Results(業績)
研修受講後の業績向上度合い(受注・売上・利益)への評価

■営業研修の成果指標であるべきものとは?

つまり、カークパトリックモデルで見てもアンケートとテストではレベル1:反応、レベル2:学習で止まっており、本来ならばレベル3:行動、レベル4:業績への評価を図りたいところなのです。

もちろん、レベル3:行動、レベル4:業績への評価は、レベル1:反応、レベル2:学習と比較して格段に技術や労力が必要な為、難しいのも事実ですが、レベル3:行動がされていなければ、そもそも営業研修を実施する意味合いは殆どないのではないでしょうか?

近年、アウトプットや実行・実践の重要性が改めて注目されているように、いくら素晴らしい理論を知っていても実行しないのであれば知らない事と同じです。そうなると研修担当者の労力と時間、受講者の時間、及び費用はすべて無駄となってしまいます。

■営業研修のあるべき成果指標を実現する為に必要な事とは?

では、営業研修の成果指標をカークパトリックモデルのレベル3:行動、レベル4:業績までもって行くにはどうすればよいのでしょうか?

業績=受注・売上・利益とするならば、受注・売上・利益が上がったかがすべてという訳ですが、これが研修の効果であるかを見極めるには時間がかかりますし、受注したかどうかの0か1かの評価では、ほぼ0という評価になり評価としては成り立たないでしょう。

そこで、有効となるのは営業の受注プロセスの項目ごとに改善値をみるマイルストーン型の評価になります。

受注プロセスは業界や企業によっても違いはありますが、概ねアポイント~初回アプローチ・ニーズヒアリング~提案・キーマンの把握~見積り提示~クロージング~受注となります。

つまり、その受注プロセスの項目を数値化して、アポイント(アポイント獲得数)~初回アプローチ(名刺の数)~ニーズヒアリング・キーマンの把握(案件数、見込み金額)~見積り提示(見積書数、見積金額の合計)~クロージング(見込み度の高い案件数)~受注(受注金額)とすれば、営業研修前と営業研修後で改善値を算出する事は可能ではないでしょうか?

■実際に営業研修=業績(受注・売上・利益)改善とするために必要な事。

もちろん、これは営業研修の担当者が独力で出来る事ではなりません。営業研修の担当部署が総務部であれば、営業部門や受講者の上司であるチームリーダーやマネージャー、部門長の協力は必須になります。

また、そのためには部門間をまたがって多くの人員の多くの時間が必要になる為、経営上層部への理解も必要となってきます。

さらに、営業の受注プロセス項目を見ると容易に想像がつくのですが、一つの研修で全ての受注プロセスを改善するのは難しいため、体系的に改善の実施計画を作成して、最短で効果が得られるように実施し、実施後のPDCAを回していくことも必要となります。

この様に実際に営業研修を効果的に実施し、効果想定を行う為には膨大な労力とノウハウが必要となりますので、自社で完結出来れば理想ですが、外部企業の協力も考えておく方が現実的ではあります。

営業研修を協力してもらう外部企業の選択基準は、下記の 2つを持つ企業が望ましいでしょう。
①研修の全体計画の作成~内容作成を「受注プロセス」をベースに組み立てることができるノウハウ
②カークパトリックモデルのレベル3:行動で必要となる上司などによる行動変容への評価を支える仕組みへのサポート
※具体的には現場の営業マンの受注活動のサポートする、チームリーダーなどのマネージャー層が持つべきマネジメントノウハウ

ちなみに、営業改善では独自に構築した「受注プロセス」を既に開発していますので、業界、企業特有の構造を貴社の営業マン様への取材で補完させていただき、その企業に最適な「受注プロセス」をご提供する事が可能です。

また、チームリーダーなどのマネージャー層が持つべきマネジメントノウハウに関しても「週間スケジュール」という一般的な営業ツールを使うことにより、誰でも受け入れやすくしながら独自の使用方法にて、数字(受注・売上・利益)達成率アップのノウハウもご提示することが出来ます。

ぜひ、みなさまの企業でも効果の出る営業研修を実施されて大きな成果を手に入れて頂ければと思います。最後までお読み頂きありがとうございました。

「営業改善」代表:黒田昭彦

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