※本ブログは、黒田昭彦『15分スケジュール すぐに成果を出す人の時間術』(明日香出版社)のタイムマネジメントの考え方を中学受験・高校受験の勉強用に改訂したものです。
中学受験や高校受験を控えたご家庭では、子どもの勉強について、次のような悩みが起こりがちです。
- 塾の宿題が、いつも直前まで終わらない
- 苦手科目の復習が後回しになる
- 予定を立てても、数日で崩れてしまう
- 親が声をかけないと勉強を始めない
- 勉強時間は長いのに、何が進んだのか分からない
- 親子で勉強の話をすると、言い合いになってしまう
このような状況になると、つい「もっと集中してほしい」「本人のやる気が足りないのではないか」と考えてしまいます。
しかし、勉強が進まない原因は、必ずしもやる気や意志の弱さだけではありません。
「やるべきこと」は決まっていても、いつ、何を、どのくらい行うかが、具体的な予定になっていないことが大きな原因になっている場合があります。
これは、仕事でも受験勉強でも同じです。
「やること」が決まっているだけでは、実行されない
受験勉強では、次のような目標や、やることリストを作ることがあります。
- 算数の苦手分野を復習する
- 英単語を覚える
- 理科と社会の暗記を進める
- 模擬試験の間違いを解き直す
- 夏期講習の宿題を終わらせる
- 過去問題に取り組む
どれも大切なことです。
しかし、「算数を復習する」と書いてあるだけでは、実際にいつ始めるのかが決まっていません。
そのため、子どもは勉強を始めるたびに、
「今日は何から始めようか」
「算数と理科のどちらを先にしようか」
「どこまでやればよいのか」
「今から始めても終わるのか」
と判断しなければなりません。
判断することが多いほど、勉強を始めるまでの心理的な負担は大きくなります。
そして、目の前にある取り組みやすい宿題だけを先に進め、苦手科目の復習や模擬試験の解き直しなど、重要ではあるものの負担の大きな勉強が後回しになってしまいます。
必要なのは、やることを増やすことではありません。
やることを、具体的な日時が入った時間割に変えることです。
受験勉強にも活用できる「15分スケジュール」
「15分スケジュール」とは、1日の予定を15分単位で見える化し、やるべきことを具体的な行動へ分解する時間管理の方法です。
例えば、「算数の苦手分野を復習する」という予定を、そのまま書くのではなく、次のように分解します。
- 9時00分~9時15分
前回の模擬試験で間違えた算数の問題を3問選ぶ - 9時15分~10時00分
選んだ3問を解き直す - 10時00分~10時15分
解けなかった原因を確認する - 10時15分~10時30分
次に復習する問題へ付箋を貼る
このように、「いつ、何をするか」が決まっていれば、その時間になったときに、改めて勉強内容を考える必要がありません。
やる気が高まるのを待つのではなく、時間になったら、決めたことを始められる状態を作ります。
すべての勉強を15分で終わらせる方法ではない
「15分スケジュール」という名前から、すべての勉強を15分ごとに細かく区切る方法だと思われることがあります。
しかし、算数の問題演習や国語の読解、過去問題などは、30分、45分、60分といったまとまった時間が必要です。
15分は、勉強時間の上限ではありません。
15分単位で考える目的は、勉強を始めやすい大きさに分け、予定を具体的にすることです。
例えば、次のような作業は15分単位に分けやすいものです。
- 今日解き直す問題を選ぶ
- 間違えた理由を分類する
- 漢字や英単語を確認する
- 翌日の教材を準備する
- 塾の宿題の残量を確認する
- 1週間の学習予定を見直す
「問題集を1冊進める」では大きすぎますが、「15分で解き直す問題を3問選ぶ」であれば、すぐに始められます。
最初の15分を予定に入れることで、その後の勉強へ取りかかる障壁を低くできます。
中学受験では、塾の時間だけでなく「自宅学習の時間」を入れる
中学受験では、夏期講習や通常授業など、塾の予定が先に決まっていることが多くあります。
しかし、塾へ行く時間だけをカレンダーに入れても、家庭学習の時間は確保されません。
必要なのは、塾の予定に加えて、次の時間も入れることです。
- 塾へ行く前の準備
- 授業を受けた当日の復習
- 宿題を進める時間
- 間違えた問題を解き直す時間
- 苦手分野を補強する時間
- 翌日の教材を準備する時間
例えば、次のような時間割が考えられます。
| 時間 | 予定 |
|---|---|
| 8時30分~8時45分 | 前日に間違えた問題を3問選ぶ |
| 8時45分~9時30分 | 算数の解き直し |
| 9時30分~9時45分 | 休憩 |
| 9時45分~10時15分 | 理科の暗記確認 |
| 10時15分~10時30分 | 夏期講習の教材を準備する |
| 午後 | 移動・夏期講習 |
| 20時15分~20時30分 | 今日の宿題と翌日の予定を確認する |
| 20時30分以降 | 予備時間または休息 |
塾へ行くこと自体を目的にするのではなく、授業を受けた後の復習まで含めて予定を作ることが大切です。
高校受験では、部活動や学校生活も含めて考える
高校受験では、中学受験とは異なり、学校の授業、定期テスト、部活動、学校行事などとの両立が必要になります。
「毎日3時間勉強する」と決めても、部活動の終了時間や疲労の度合いによって、実行できない日もあります。
そのため、高校受験では、曜日ごとに使える時間を確認し、現実的な予定を作る必要があります。
例えば、部活動がある平日は、長時間の勉強を前提にするのではなく、
- 帰宅後15分で英単語を確認する
- 夕食後30分で学校の宿題を終える
- 20時30分から45分間、数学の復習をする
- 就寝前15分で翌日の予定を確認する
といった形で、限られた時間に実施する内容を具体化します。
部活動のない日や休日には、過去問題や苦手科目など、まとまった時間が必要な勉強を入れます。
毎日同じ時間割を作るのではなく、学校生活に合わせて、実行できる時間割を作ることが重要です。
親の役割は、子どもを監視することではない
受験勉強の時間割を作るとき、注意したいことがあります。
それは、時間割を親が子どもを管理するための道具にしないことです。
親がすべての予定を決め、一つひとつ実行を確認すると、子どもは「自分の勉強」ではなく、「親から言われて行う勉強」と感じるようになります。
また、予定どおりに進まないたびに注意されると、時間割そのものが親子の衝突の原因になってしまいます。
親の役割は、子どもを監視することではありません。
子どもだけでは整理しにくい予定を一緒に確認し、実行できる環境を整えることです。
特に中学受験では、小学生が長期間の学習計画を一人で作ることは簡単ではありません。
最初は親が、
- 塾や学校など、変更できない予定
- 食事や入浴、睡眠の時間
- 家庭学習に使える時間
- 休憩や自由時間
の枠組みを整理します。
そのうえで、どの科目をどの順番で進めるかは、子どもと相談して決めます。
高校受験では、子ども本人が予定を作り、親は週に一度確認する程度から始めてもよいでしょう。
子どもの年齢や性格に応じて、親の関わり方を変えることが大切です。
予定を詰めすぎると、時間割は続かない
受験勉強では、やらなければならないことが多いため、空いている時間をすべて勉強で埋めたくなります。
しかし、予定を詰めすぎると、一つの勉強が長引いただけで、その後の予定がすべて崩れてしまいます。
予定が崩れるたびに、
「今日も計画どおりにできなかった」
「自分は計画性がない」
「もっと勉強時間を増やさなければならない」
と考えてしまうと、子どもの負担が大きくなります。
時間割には、あらかじめ余白を入れておく必要があります。
例えば、
- 午前と午後に15分ずつ予備時間を入れる
- 夜は新しい課題を入れず、遅れを調整する時間にする
- 1週間に半日、予定を入れない時間を作る
- できなかった勉強は翌日ではなく、週末に調整する
といった方法があります。
余白は、勉強をしていない無駄な時間ではありません。
予定を継続するために必要な時間です。
1日の反省より、1週間の見直しを行う
予定どおりに進まなかったとき、毎日、子どもを注意しても改善にはつながりません。
大切なのは、できなかったことを責めるのではなく、予定の作り方を見直すことです。
週に一度、15分程度の時間を取り、親子で次の内容を確認します。
- 今週、予定どおり進んだこと
- 予定より時間がかかったこと
- 後回しになった科目
- 来週、優先する勉強
- 減らしてもよい課題
- 休息が不足していないか
例えば、算数の解き直しに予定の倍の時間がかかったのであれば、「集中力がない」と考えるのではなく、翌週から算数の時間を長くします。
英単語の確認が毎日続かなかったのであれば、実施する時間帯や量を変えます。
子どもを予定に合わせるのではなく、子どもの実際の行動に合わせて予定を修正することが、継続のポイントです。
仕事も受験勉強も、成果を出す人は予定を具体的にしている
株式会社営業改善では、営業や管理職の業務を見える化し、重要な仕事を実施できる予定の作り方を支援しています。
仕事で、
- 新規開拓を進める
- 提案書を作成する
- 重要顧客へ連絡する
- 部下との面談を行う
という目標を掲げるだけでは、日々の急な依頼や事務作業に追われ、重要な仕事が後回しになります。
受験勉強も同じです。
「苦手科目を克服する」「志望校に合格する」という目標だけでは、今日の行動は決まりません。
目標を、今日実施する具体的な予定へ変える必要があります。
大人の仕事も、子どもの勉強も、成果を出すために必要なのは、強い意志やモチベーションだけではありません。
実行しやすい大きさに分け、具体的な日時を決める仕組みです。
「勉強しなさい」から「今日の予定を確認しよう」へ
受験を控えた子どもに対して、親が何度も「勉強しなさい」と言うことは、親にとっても子どもにとっても大きな負担になります。
時間割があれば、声かけを次のように変えることができます。
「勉強しなさい」ではなく、
「今日の予定はどうなっている?」
「宿題は終わったの?」ではなく、
「宿題の時間は、何時から入れている?」
「もっと頑張りなさい」ではなく、
「予定より時間がかかったところを、来週はどう変えようか?」
子どものやる気を引き出そうとする前に、子どもが行動しやすい予定を一緒に作る。
それが、中学受験や高校受験を家庭で支えるうえで、親にできる大切なサポートの一つです。
書籍『15分スケジュール すぐに成果を出す人の時間術』では、仕事や日常生活の予定を15分単位で見える化し、重要なことを着実に実行するための方法を紹介しています。
勉強計画が続かないとき、やる気や根性だけに頼るのではなく、まずは、今日の「やることリスト」を「時間割」に変えることから始めてみてはいかがでしょうか。
株式会社営業改善
代表取締役
黒田昭彦
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