テレワークの課題は、コミュニケーションが難しい:60.1%、マネジメントが難しい:53.3%、生産率・効率の低下:42.5%という調査結果があります。
そして、数字を達成するチームと未達チームの違いを比較すると2つの違いに気が付きます。「コミュニケーション」と「見える化」の2つです。
成果を求める為、サボり防止の為に業務結果の見える化を追求されている企業様も多いかと思いますが、なかなか成果につながらずお悩みではないでしょうか?
実は見える化には4つの見える化があり、結果を見える化するだけでは成果を上げるのは難しいのです。
また、見える化する為には適切な量のコミュニケーションも欠かせません。
今回は数字を達成するチームと未達チームの違いを比較しながら、目標達成の為のコミュニケーションと見える化が出来る「予定マネジメント」について解説いたします。
■業務には実は4つの「見える化」があります。
見える化には、業務結果の見える化だけでなく実は4つの見える化があります。
大きくは、業務の見える化と進捗の見える化の2つで、それに各々、結果と予定が掛け合わされて4つの見える化となります。
1.進捗×予定の見える化
2.進捗×結果の見える化
3.業務×予定の見える化
4.業務×結果の見える化
多くの企業様は、4.業務×結果の見える化、営業数字の予測の観点からは2.進捗×結果という2つの「結果」の見える化を追求されているのではないかと思います。
しかし、重要なのは「結果」の見える化ではなく、「予定」の見える化になります。
■数字を達成するチームと未達チームのマネジメントの違い
ある広告代理店・営業部の事例です。
その広告代理店は業績がジリ貧で数字を達成するチームと未達チームの違いが分からずに有効な手立てを打てないでいました。
状況はこうです。
・営業のメンバーは全員まじめに外営業もしている。
・営業部の方針は同じで各チームに違いはない。
でも、数字を達成するチーム、未達チームに分かれてしまう。
両者の違いは何だったのでしょうか?
達成チームは、マネジャーと部下であるチームメンバーとのコミュニケーションが密接でした。
コミュニケーションが密接でメンバーの悩みがすぐに解決される状態だった為、メンバーの行動は止まる事がありませんでした。
つまり、マネジャーから見てメンバーである部下の状況が適切なコミュニケーションにより「見える化」されていたのです。
一方、未達チームは行動設定がメンバーにお任せの状態でした。
コミュニケーションの量が足りずメンバーの現状も分からない状態であった為、メンバーの力量で超えられない案件は進行が止まってしまいました。その結果、数字は未達となりました。
つまり、適切なコミュニケーション量がなかった為、マネジャーから見てメンバーである部下の状況が「見える化」されていませんでした。
とても簡単な事なのですが、コミュニケーションのあるなしだけが「見える化」の可否につながり、成果の違いになっていたのです!
これと同じ様な事例が金融でもありました。
どの支店に赴任しても成果を出す支店長がいたのですが、その支店長がしていたことは赴任先の支店の部下全員との会話、コミュニケーションによる部下の状況の「見える化」でした。
マネジャーの皆様も経験がおありかと思いますが、部下の立場から上司へ積極的にコミュニケーション、報告・連絡・相談をする事はあまりないのではないでしょうか?もちろん、アピールの為に無駄に上司へ報告する方もいるにはいますが・・
つまり、コミュニケーション、報告・連絡・相談は部下から来るのを待つのではなく、上司であるマネジャーから積極的にする必要があるのです。特に部下に都合の悪い状況になっている案件(それこそ指導が必要な案件なのですが・・)は部下からは報告・連絡・相談は来ないものです。
ですので、コミュニケーションを積極的に取り、部下の状況を「見える化」しなくてはならないのです。
■目標達成にはどの様なコミュニケーション必要なのか?
いくらコミュニケーションを密接にといっても結果に対してのコミュニケーションでは、よくない結果の場合、部下からは責任を追及される=怒られるとなってしまい歓迎されません。
歓迎できない事項はなるべく遠ざけ様としますので、結果に対してのコミュニケーションはうまく行きにくい構造になってしまうのです。
また、コミュニケーションが蜜でも業務に無関係のコミュニケーションでは、数字の達成はおろか業務改善にはつながりません。バーベキューや釣り、ゴルフなどの趣味の話で話しやすい雰囲気を作り出すのは良いことですが、それだけでは部下の趣味が「見える化」」されるだけですので、業務改善にはつながらないのです。
つまり、チームリーダーと部下とのコミュニケーションは業務に関して、ポジティブな話が出来る、これからの作戦、営業方法となる「業務予定」に対するコミュニケーションが必要となるのです。
予定に対するコミュニケーションを取ろうとすれば、部下の予定が明確でなければコミュニケーションが取れません。つまり、「業務予定」の見える化です。
では、予定の「見える化」はどうすれば出来るのでしょうか?
■予定を「見える化」する方法
数字を達成できるチームは案件に対する問題点をつぶしてチームメンバーが行動できる、行動するしかない状態になっています。
必要事項は
・ボトルネックの解消
・目標達成できる行動予定の設定
・PDCAの円滑化
の3点です。
具体的には、多くの企業様で何らかの形で使われている「週間スケジュール」を活用するのが近道です。
「週間スケジュール」は、文字通り1週間の間に行う業務の予定で、取引先名、案件名、その案件の現状と到達すべきゴール、月曜日〜金曜日の曜日ごとの実施事項を明記したものになります。
この「週間スケジュール」の予定の部分に対する確認、指導がキモになります。部下の予定=やるべき事を明確に目に見せる事は、非常に重要です。
※やるべき事と出来た事のギャップを埋める作業が指導・教育となります。
「週間スケジュール」には、目標をもれなく案件として落とし込みます。
年間目標→月間目標→週間目標→1日のスケジュールという順番で落とし込んでいきます。
予定=目標の100%以上になっていなければ、当たり前ですが目標は達成されません。
富士山の山頂がゴールなのに、予定が3合目で3合目に向かって行動していては、いつまでたっても山頂のゴールに到達しないのと同じです。
この当たり前のことが、実は目標未達チームでは起こっています。
そもそも、スキルがマネジャーと比べて足りないから部下なのであり、その部下に行動設定をお任せの状態ではマネジャーが納得する予定(目標)が作れないのも当然といえば当然なのです。
■予定を「見える化」するのは誰の仕事なのか?
予定は本来、自分自身で作るものです。それは間違っていません。
ただ、あるべき姿を理解していない部下に任せた場合、部下の行動予定は「あるべき姿」と乖離してしまうのも事実です。
では、どうするのか?
コミュニケーションを取るのです。
そして、これが部下の「あるべき姿」=目標=予定だとマネジャーが作って部下に見せてあげるのです。
そこから、初めて目標に向かった業務行動の改善やコミュニケーションが始まります。
■指導には共通の物差しが有効
そうして、「あるべき姿」である、目標を達成することが出来る「予定」を組むことが出来たら
日々の業務指導が始まる訳ですが、部下の立場からすると上司とのコミュニケーションは必要な時に必要なだけ、出来れば短時間で済ませたいのが本音ではないでしょうか。
もちろん上司であるマネジャーからしても短時間で必要なコミュニケーションが取れるのであればそれに越したことありません。
そこで、学校であれば予習復習に使える教科書にあたる営業マニュアルがあれば便利になります。
営業マニュアルといっても、いわゆる営業マニュアルではなく、実践的に営業のアポイント~受注までの初回訪問、提案、見積りなどのプロセスごとに必要な事項と手法を設定して、そのプロセスを営業教育プログラム(共通の物差し)としてメンバーの指導を行うのです。
そうすると、メンバーは理解がしやすい。マネジャーは指導がしやすいとなり結果、マネジメントの効率がアップします。
※余談になりますが、営業研修の実施がなかなか業績につながらない原因は、受注プロセスにそって体系的に教育を行えていない事も大きいと思われます。
■未来志向である予定マネジメントはポジティブ!
よく未来志向は将来をポジティブに想像するので良い。ワクワクすることが出来るといいます。
一方、原点志向もメリットはたくさんあるのですが、結果の出ない、何か失敗した部下からすると過去を振り返る手法はどうしてもネガティブな状態へと向かってしまいます。
結果の管理はもちろん大切なのですが、結果の原因追及をする以上に重要かつポジティブな行動に結びつくのは予定をマネジメントすることです。
部下の側でも数字が未達の理由を詰問されるよりも、不足分の数字に対する対策(予定)を検討する方が比較にならない程、積極的な行動につながるはずです。
手前みそではありますが、「営業改善」では営業の行動改善をする為に必要な要素である
・現状把握(見える化)の方法
・現状把握~あるべき姿への移行方法
・営業ツールの作成・活用ノウハウ
の3つをご提供することが可能です。
逆に言うと営業の業務改善を実施される場合には、上記の3点に留意ください。
「営業改善」では 初回無料でWEBでの個別相談も実施しております。
目標達成の為のコミュニケーションが取れる「予定マネジメント」の要点はお伝えいたしましたが、実践される上での細かな疑問点やマネジャー層への研修、最速で実践する為のサポートは、ぜひ「お申し込み」よりご連絡ください。
画面越しかもしれませんが、お会いできるのを楽しみにしております。
営業の行動が能動的でない、もっと積極的に新規開拓をしてくれたら、なぜうちの営業の行動はあるべき姿とこんなにも乖離しているのだろうとお悩みの経営者様は少なくないかと思います。
今回の記事がその様なお悩みへのご参考になれば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
「営業改善」代表:黒田昭彦
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