見積りで悩むのは営業マンではない。顧客に悩んでもらうのが正解。

みなさんは、見積りを作る時にはあれこれと悩む方でしょうか?それとも、あまり悩むこともなく出来る方でしょうか?

見積りは営業には必須の業務ですので、本来はこれが営業の醍醐味だと思うのですが、見積りが嫌い、もしくは苦手だという声はよくお聞きします。実際、当ブログでも見積りの作り方は特に人気が高くなっています。

私自身も会社員時代は、見積りがあまり好きな方ではありませんでしたが、ある時から悩まなくはなりました。

先日も見積りに悩んでいる方から見積りの相談を受けたのですが、その方は3パターン考えた中から、どのパターンの見積りを顧客へ提出するべきかを悩んでいました。

そこで、どのパターンの見積りを出すべきかを考えると、顧客が求めている答えにたどり着きますか?とお聞きすると、恐らくたどり着かないとお答えになられました。というよりも、だから相談しているのですがと当惑されていました。

では、どうすれば正解の見積りパターンを選ぶことが出来るのでしょうか?

正解は、選択できるパターンをそのまま顧客へ出して、顧客に選んでもらうです。

見積りの各パターンには、メリットとデメリットがあります。3パターンあれば、最もサポートが手厚いプレミアムAパターン、最もコストを抑えた低価格Bパターン、AパターンとBパターンの中間のバランス型Cパターンというのが一般的な所でしょうか。

この様にメリット、デメリットを明確にして価格を出してしまえば、後はどれが良いのかを決めるのは、結局は顧客ですから営業マンは悩んでも仕方がないのです。

こう考えると見積り作りは非常にスムーズに進みます。

そして、この複数パターンの見積りを用意するというのは、別のメリットもあります。指名発注で自社に決定している案件であれば、見積りは価格交渉だけですみますが、競合がいるコンペ案件の場合は見積りは、自社を選んで頂く為に非常に重要な要素となります。

その様な重要な要素である見積りに関して、選択肢を1つに絞り込むというのは危険です。特に顧客の希望が分かりにくい場合には3パターン程ご用意すべきでしょう。
競合への対策としても複数見積りは有効で、例えば低価格を得意にしている競合への対策としては、低価格プランの見積りが必要になります。また、手厚いサポートを得意にしている競合に対しては、プレミアムプランの見積りが有効です。

そして、ここが重要なポイントなのですが、競合が得意にしている分野の見積りを作ることで、その部分も我々は検討しましたが、複数プランを検討した結果、3つ目のパターンが最善のプランですと、顧客に寄り添った提案であり見積りであることをお伝えすることが出来ます。

この様に考えると見積りで悩むポイントは全く変わってきます。相談された方も、そう考えた方が確かにいいですねと最後は納得でした。

見積りが得意ではないという営業マンの方は、複数パターンから選んでもらえる様に、選択肢を用意するという視点もあると考えてみてください。きっと見積り作りが楽になるはずです。

株式会社営業改善
代表取締役
黒田昭彦