AI活用の前に「何を効率化するか」を整理する~AIに仕事の見える化が必要なわけ~

「AIを使っているけれど、思ったほど仕事が楽にならない」
そんな声をよくお聞きします。

そんなときに、一度確認していただきたいことがあります。

それは、今の仕事の内容と、何にどれだけ時間を使っているかを整理できているかということです。

AIで生産性を高めるためには、「AIで何ができるか」に加えて、「自分の仕事の何を効率化したいか」を明確にする必要があります。その出発点となるのが、現状の仕事の見える化です。

「忙しい」を具体的な仕事と時間に置き換える

毎日忙しく働いていても、「何に何時間かかっているか」と聞かれると、すぐに答えられるでしょうか。

例えば、「提案書の作成に時間がかかる」といっても、その中身はさまざまです。

  • 必要な情報を探している時間
  • 提案内容や構成を考えている時間
  • 文章を書いている時間
  • 図表やレイアウトを整えている時間
  • 内容を確認し、修正している時間

どこに時間がかかっているかによって、改善の方法も、AIに任せたい作業も変わります。

「提案書作成を効率化する」という大きなくくりから、どの作業を、どのように効率化するかまで具体化することが大切です。

現状の見える化には「15分スケジュール」が便利

そこで活用していただきたいのが、拙著『15分スケジュール すぐに成果を出す人の時間術』で紹介している、15分単位で時間を「見える化」する方法です。

まずは、実際に行った仕事を15分単位の枠に記録してみてください。細かな作業を秒単位で測る必要はありません。何をしていたか、どのくらい時間を使ったかが分かる程度から始めれば十分です。

例えば、「資料作成・60分」だけでなく、

「情報収集・15分」
「構成の検討・15分」
「文章作成・30分」

というように、作業の中身も記録します。

最初は1日分から始め、慣れてきたら1週間分を振り返ってみましょう。

繰り返し行っている作業、思った以上に時間がかかっている作業、割り込みで予定が変わった場面などが見えてきます。

予定だけでなく、実際に使った時間を残すこと。
それが、効率化する業務を見つける手がかりになります。

見える化した後に、業務を仕分けする

仕事と時間が見えたら、次は業務の仕分けです。

まずは、それぞれの仕事について「何のために行っているのか」「今も必要なのか」を確認します。そのうえで、次のように整理してみてください。

仕分けの方向見直しの例
やめる・減らす活用されていない資料、必要以上に多い報告
手順を変える・まとめる重複入力、何度も発生する確認や修正
任せる・分担する自分一人で抱えている定型作業
AIによる効率化を試す文章のたたき台作成、情報の整理、要約
人が時間をかける顧客の本音を聞く、提案の方向性を判断する

これらは、仕事を整理するための一例です。同じ業務の中でも、AIに任せられる部分と、人が担う部分に分けられます。

必要性の低い仕事であれば、時間をかけて効率化する前に、やめたり減らしたりすることを検討できます。手順を整えるだけで、負担が軽くなる仕事もあるでしょう。

この仕分けを行うことで、AIを活用する目的がはっきりします。

仕分けた個別業務ごとにAIを活用する

例えば、お客様への提案業務であれば、次のように役割を分けられます。

お客様の課題や要望を聞き取り、提案の方向性を決めるのは人。その内容をもとに、構成案や文章のたたき台をつくる作業にAIを活用する。そして、事実関係や表現、提案の妥当性を人が確認する。

このように、一つの業務を具体的な作業に分けると、AIの使いどころを考えやすくなります。

まずは、繰り返し発生し、時間がかかっている作業を一つ選んで試してみましょう。

試した後は、AIへの指示や出力内容の確認・修正を含めて、全体の作業時間がどう変わったかを確認します。時間だけでなく、必要な品質を保てているかも見ることが大切です。

その前後の比較にも、15分スケジュールの記録が役立ちます。

AI活用が進まないときこそ、今の仕事を振り返る

AIの活用が思ったように進まないときは、使い方を学ぶこととあわせて、現状の仕事が整理できているかを、一度確認することを強くおすすめします。

何に時間を使っているのか。
どの仕事を減らし、どの仕事に時間をかけたいのか。
そのために、どの作業をAIで効率化するのか。

現状を見える化し、業務を仕分けし、個別の作業にAIを活用する。

この順番で考えることで、AI活用と日々の仕事の改善を結びつけやすくなります。

まずは明日、1日分の仕事と時間を15分単位で記録してみませんか。

拙著『15分スケジュール すぐに成果を出す人の時間術』(明日香出版社)を、現状の仕事を見える化し、成果につながる時間の使い方を考える一冊として、ぜひご活用ください。

株式会社営業改善
代表取締役
黒田昭彦

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『15分スケジュール すぐに成果を出す人の時間術』

黒田昭彦 著/明日香出版社
2026年3月発売/税込1,760円/256ページ

1日を15分単位で捉え、
予定を見える化し、やるべきことを整理しながら、
成果と時短を両立するための考え方と実践法をまとめた1冊です。

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