営業がテレワークで成果を出す「見える化」の方法

緊急事態宣言が解除され少しずつ経済活動も戻りつつありますが、第2波や大型台風などの災害への備えを考えるとテレワークへの取り組みは、引き続き重要な課題となります。
そこで今回は、テレワークでも営業部門が成果を出す方法に関して考えてみたいと思います。

テレワークの問題とリアルオフィスの問題

テレワークに対する対処をどうするのか?というお悩みをお持ちの企業様は多いのですが、厳しいお話をする様ですが、そもそもリアルオフィスでうまく行っていない事が、テレワークで突然うまくいく事はありません。

つまり、リアルオフィスでうまく行っていないなら、そこを改善した上で、テレワーク独自の状況に調整していくのが本筋となります。

テレワーク独自の問題なのか、そもそも、それ以前の業務改善の問題なのかは、切り分けてそれぞれに対策を打った方がスピードも速くて効果的です。

テレワークの運用で大切な事

テレワークの運用で大切な事は、コミュニケーションと思われがちです。もちろんコミュニケーションも重要なのですが、実はコミュニケーション以上に能動的な行動をする様に教育する事が重要になります。

?と思われるかもしれません。順を追ってご説明します。

まず、テレワークで多くの企業様が懸念される、社員がきちんと仕事をしているか心配(さぼり防止)するのは、いわゆる2:6:2の真ん中の6と下の2の社員だと思います。

逆に上の2の優秀な社員に対してきちんと仕事をしているか心配(さぼり防止)をするでしょうか?
リアルオフィスにおいて、放っておいても成果を出してきた社員ですから、テレワークになった途端にサボりだす事は考えにくいのではないでしょうか。

そして、上の2の優秀な社員に対して、リアルオフィスとテレワークでは状況が違うといって、頻繁にコミュニケーションを取る必要があるでしょうか?

恐らくお任せで安心なのではないでしょうか?
頻繁にコミュニケーションという名の報連相を求めれば、逆に業務効率が落ちてしまい、優秀社員からも疎まれてしまいかねません。

上の2の優秀な社員が問題ないのであれば、他の真ん中の6と下の2の社員も上の2の優秀な社員と同様の業務方法を取ってもらう様に教育していく事が真のテレワーク対策になります。
ベストプラクティス、成功プロセスの水平展開です。

テレワーク独自の状況

その上で、テレワーク独自の状況は2つあります。

1つ目は、会社・管理側からは社員が見えない事です。

しかし、実はオフィスにいる時も表面的なものは見えていても内実は見えていないという事実があります。

営業が何をしているか分からない。独自のノウハウだと思う、ブラックボックス化しているという感想・言葉は、それを端的に表しています。

2つ目は、プロセス評価(頑張っていればよい)から、成果評価(実績がでなければならない)に変わる事です。
何せ、プロセス(頑張り)が見えないから仕方がない訳です。

こちらは大変重要な問題ですので、社員全員によくよく理解していただく必要があります。

つまり、社員様は、何のデメリットもなくテレワークで自由を得たわけではなく、テレワークという自由を得た代わりに、生活(給与)の為には成果(実績)を出さなければ生き残れないのだという意識が必要になります。

成果(実績)を出す為には、やるべき事を会社側とよく確認して頂き「あるべき姿」を設定、合意しておく必要もあります。

プロセス評価(頑張り)から、成果評価(実績)への転換、企業側としては評価基準の見直しも必要になってきます。

教育に最適な「週間スケジュール」でのコミュニケーション

ただ、テレワークだから成果評価(実績)への転換で、すぐに問題が解決するかと言えばどうでしょうか。

特に人材の問題がつきまとう中小企業では、大手企業の様に優秀な社員ばかりではないのも残念ながら事実です。

要は、教育して育てていかなければ、いくらでも人材がいる状態ではないので成果評価(実績)で切り捨てる訳にはいきません。

そんな社員を教育するツールに「週間スケジュール」というツールがあります。

名前の通り1週間のスケジュールを明確にするツールです。これは動かない案件の理由を把握するには最適のツールです。

「週間スケジュール」は得意先名、案件、今週の目標、現状、それを踏まえた月曜から金曜日までの各日の動きという項目からなる、行動管理ツール(社員側からすると相談ツール)です。

よくある話ですが、現場の営業マンは別にサボりたい訳ではなく、何らかの事情で止まる事が多いのです。

つまり、現場の営業マンが困っている事、そのつかえている所(現状)を解決すれば案件は動き出すので、それをあぶりだす為のツールになります。

事実、目標数字を達成するチームと達成出来ないチームの違いは「週間スケジュール」をうまく使ってコミュニケーションしているか、していないかだけであったりします。

移行期の現在に最適な「15分スケジュール」

成果(実績)を出す為には、やるべき事を会社側とよく確認して「あるべき姿」を設定、合意しておく必要がありますが、まずは現状を把握しなければ、どの様に「あるべき姿」へ移行していいのかは分かりにくくなります。

その為の現状把握ツールであり、プロセスを確認出来るツールが「15分スケジュール」になります。

「15分スケジュール」とは、1日の業務を15分単位でスケジューリング及び記録するツールで、業務の予定と記録、備考(次の行動予定)の3項目からなるツールです。

一日の業務を15分単位でもれなく記録しますので、現状把握(業務の見える化)が進み、現状の業務仕分けを行う事で、「あるべき姿」への移行も進んで行きます。

この「15分スケジュール」の予定を「あるべき姿」にしておくことが出来れば、自然と社員は、求める姿へと進んで行くことになります。

まとめ

最後に箇条書きですが、簡単なまとめをしておきます。

①あるべき姿の設定+「15分スケジュール」での現状把握(業務の見える化)
②業務の仕分け
③あるべき姿への移行
④「週間スケジュール」での教育
⑤「15分スケジュール」でのあるべき姿への推進

上記の様な流れは、実はテレワークだけでなく、リアルオフィスでも重要なのですが、ことテレワークでは、より重要となって来ます。

ぜひ実践されて、テレワークでも大きな成果を達成して頂ければと思います。

先が見えにくい今、このブログが企業経営者様にとって、次の一歩を踏み出す一助になれば、とてもうれしいです。最後までお読み頂きありがとうございました。

「営業改善」代表:黒田昭彦

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