営業職において「服装」は単なる身だしなみの問題ではなく、顧客との信頼構築や商談の成功に直結する要素です。できる営業マンの服装はいつもスーツに白シャツなのか?
それは業界や状況次第ですが、大切なのはTPOを意識し、適切な準備をすることです。
服装の選択がチャンスを左右する
営業にとって、チャンスは突然訪れるもの。トラブル対応、急な商談、冠婚葬祭への対応など、予測できない場面がある以上、服装の選択は慎重であるべきです。
例えば、私が会社員時代に後輩の営業がクールビズの紺色のポロシャツで勤務していた際に、急遽クレーム対応が必要になり、ジャケットもネクタイも持っておらず後悔していたことがありました。
このような事態を避けるためにも、服装に関する「心得」を持っておくことが重要です。
業界ごとの服装ルール
ある広告代理店の営業職では、基本的に白シャツを着用することが多いと言われます。理由は、どんな場面にも対応できるようにするためです。さらに、黒ネクタイや喪服を会社に常備しているという話もあります。これは、顧客に対して常に礼節を重んじ、万が一の状況に備える姿勢を示しているのです。
また、高収益企業で知られるキーエンスでも「白シャツ」「紺またはグレーのスーツ」が基本というルールがあるといいます。これは、営業担当者が派手な印象を持たれず、顧客との信頼関係を築きやすくするための戦略的な服装選択です。
服装の失敗例とTPOの見落とし
服装選びは単純なルールではなく、「相手にどう映るか」が重要です。
スポーツメーカーの商談でスーツを着て行ったら、相手がカジュアルなポロシャツ姿で、「いつも固いですね」と言われ、商談の空気が硬くなってしまった。
アパレルメーカーに冬の終わりに冬物スーツを着て訪問し、季節感が合わず違和感を持たれたケースもあります。
また、若い女性向けの企画に対し、営業、プランナー、上司の全員が年配の男性で訪問したことで、得意先に拒絶反応を示されてしまったという話もあります。
商談の場にふさわしい服装選びだけでなく、「誰が訪問するか」も含めた戦略的な準備が求められるのです。
普段の営業心得を見直す
ひと昔前のように「できる営業マンはスーツに白シャツ」と言い切ることはできませんが、TPOを意識することは大切です。
顧客に良い印象を持たれる服装を選ぶだけでも、商談の成功率を高めることはできるのです。日々の営業活動において服装の選択を少し見直すだけで、チャンスは広がります。ぜひ、自分の営業スタイルに合った服装の心得を確立し、成功をつかみましょう。
株式会社営業改善
代表取締役
黒田昭彦
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