「働き方改革」は、マネージャーの行動を「見える化」して、あるべき姿にする事が重要!

世の中で「働き方改革」が進む中、役員や管理職のあり方は実は手つかずの状況が多い様ですが、営業部門の「働き方改革」にとっては管理側のマネジャー(プレイングマネージャー)をあるべき姿へと移行させることは、とても重要です。

今回は、営業部門の中間管理職の方の 「働き方改革」 に関してお伝えして行きます。

■営業職の「働き方改革」アンケートから読み取れる営業マネージャーの課題

営業職の「働き方改革」アンケートから出てきた、営業マンのストレスは「報告業務」が上位だそうです。

これは、報告を受ける側(管理職)が、現場の営業マンにメリットを与えられていないのが原因だと考えられますが、管理側のマネジャーもプレイングマネージャーである事が多く、自分の数字が大きな負担となってマネージャー業務を十分に遂行できていないというジレンマを抱えているのでしょう。

マネージャーには、あるべき姿へのシフトが必要なのは自明の理ですが、言うは易し行うは難しです。

ただ、ハードルは高いにしろ管理側のマネジャー(プレイングマネージャー)をあるべき姿へと移行させることが、営業部門の「働き方改革」にとっては大変重要な事だとういことは読み取れます。

■現状のまま「働き方改革」を進めると中間管理職は業務量が増加する一方!?

パーソル総合研究所の「中間管理職の就業負担に関する定量調査」によると、働き方改革が進んでいる企業群では、中間管理職自らの業務量が増加したとの回答割合が62.1%もあるそうです。※パーソル総合研究所「中間管理職の就業負担に関する定量調査」

一般社員の業務時間が削減されても、中間管理職の半分以上は削減されるどころか増えている!というのは、経営者の方にはショックな内容ではないでしょうか。

私も独立する前は中間管理職でしたので、よくわかる部分もあります。

特にプレイングマネージャーであれば、自分の個業とマネジメント業務の双方をしっかりやろうとすればするほど、業務量は爆発的に増えていきます。

先程の現場の営業マンの不満(営業マンのストレスは「報告業務」が上位)と同じ原因に行き着いてきます。

一体、どうしたら良いのか?

簡単に言ってしまえば、管理側のマネジャー(プレイングマネージャー)をあるべき姿へと移行させること。つまり、マネジメント業務にシフトして自分の個業をチームメンバーへ引き継ぐしかありません。

では、どうやって業務仕分けするのか?

■業務仕分けに必要な事

そもそも、業務仕分けをするには下記の2つの事をやっておく必要があります。

【業務仕分けに必要な事】

・あるべき姿を決める
・現状の業務内容と業務量を知る。

ゴールが分からなければ目指し様がありませんので、まずは「あるべき姿」、ここをハッキリさせます。
「あるべき姿」が決まれば、ゴールは決まりましたので、スタート地点の確認。つまり、現状の業務内容と業務量を確認します。

この2つを実施してから
・現状とあるべき姿のギャップを確認
・ギャップを埋める(業務仕分けを行う)となります。

ちなみに、マネージャーの「あるべき姿」がすぐに思いつかない管理職の方は、どの様なものなのか?と考えるのも大切ですが、それに関して会社、経営側とコミュニケーションを強化して、もっと会社の要望を確認すべきかもしれません。

■「15分スケジュール」という武器

ただ、一番知っている様で一番分からないのが自分というもの。現状の業務内容と業務量はどの様に確認すればよいのでしょうか?

そこで登場するのが「15分スケジュール」というツールです。これは強力な武器で多忙な人ほど有効なツールとなります。
「15分スケジュール」は簡単に言うと1時間刻みのバーチカル手帳の15分版で、1日の業務を15分単位でスケジューリング及び記録するツールです。

1時間刻みのバーチカル手帳では、1時間か30分刻みでスケジュールを立てますが、「15分スケジュール」では、より細かく15分単位にして自分の業務の予定、記録をしていきます。
1時間の予定の営業会議であれば15分を4コマ予定し、実際には45分で終われば、3コマを記録します。

15分単位にすることで煩雑になる印象を受けるかもしれませんが、業務処理能力(時間見積り)が明確になり、スキマ時間までを有効に使える様になっていきます。

これを1ヶ月ほど続けると自分が現状、どの様な業務をしていて、どの業務にどの位の時間を使っているのかを知る事が出来ます。
そうしたら、先に決めておいた「あるべき姿」とのギャップを確認して、ギャップを埋める(業務仕分けを行う)事が可能となります。

■「15分スケジュール」のメリット

「15分スケジュール」をやり始めた導入初期はスケジュール作成とチェックに時間が掛かり大きな負担を感じるかもしれません。

しかし、2週間もしないうちに慣れてきます。そして、今度は逆に15分スケジュールがないと次のアクションが取りにくくなり、ないと不安になる、なくてはならないツールになってきます。

【15分スケジュールのメリット】
・業務内容が見える化できる
・履歴が蓄積した後で「あるべき姿」へシフトできる
・TO-DOリストでは出来なかった、優先順位が明確になる
・業務効率がアップする
・業務処理能力(時間見積り)が明確になる
・スキマ時間が活用できる

繰り返しになりますが、これは多忙な人ほど有用なツールなのです。

■「15分スケジュール」で現実を知った時

「15分スケジュール」で現実を知った時に多くの管理職の方は驚くと思います。こんなにもマネージャー業務の時間が少なかったのかと。

ただ、現状を悲観する必要はないと思います。現状に愕然とするよりも、むしろ伸びしろが多いと喜べばよいと思います。これは本音です。
ある程度スキルが出来上がっている管理職、マネージャーが大きく飛躍できる機会を得たならば喜び以外の何物でもないのではないでしょうか。

営業部門の「働き方改革」は管理職、特にプレイングマネージャーの業務改善、あるべき姿へのシフトからが近道です。その為にも、御社でもまずは「15分スケジュール」での自分把握をやってみませんか?

「営業改善」代表:黒田昭彦

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