営業マンが夏は成果にこだわるべき理由「ゴール設定と受注プロセスの重要性」

今年も猛暑が続いています。暑いと単に移動しているだけで汗が出て疲れます。
その疲労は受注や売上・利益という成果とは関係なく、脳を錯覚させ我々を存分に仕事をした気分にさせてしまいます。

言うまでもなく給料は利益から配分されます。利益は売上から出て、売上は受注が元になります。
つまり、行動ではなく成果(受注、売上、利益)からしか給料は出て来ません。
もちろん、行動がなければ成果は出ませんが、行動しただけでは成果が出ない事も事実です。

成果の出る出ないにかかわらず、大きな疲労感が仕事をした感につながり満足してしまう夏場は特に注意が必要です。
一生懸命働いて(動いて)いるのに成果が出ない。営業マンにとってこんなに辛い事はありません。

そこで、今回は普段でも大事な事なのですが、成果を出す為に重要なゴールの設定とゴールにたどり着く為のプロセスに関して考えてみたいと思います。

成果主義は大変?

成果にこだわって仕事をすると言うと現場の営業マンの方には嫌な気分になる方もいらっしゃるかもしれません。
会社側は数字の事ばかり言うけどと・・

しかし、同じ行動をするなら成果(受注、売上、利益)が上がった方が良いのは会社側も現場の営業マン側も同じかと思います。

ただ単に成果を出せと言うと営業マンはとても辛い状態になりますが、成果(受注、売上、利益)へたどり着く為の最適なプロセスとそのプロセスごとに取るべき行動が明確になっていればどうでしょうか?

成果を出す為に受注までのプロセスを明確にして、そのプロセスに沿って行動する事は、営業マンにとっても分かりやすく、無駄がなく、成績も出やすく、それ故会社への報告もしやすく、おまけに給料も上がる可能性が高くなる有益な事になります。

多くの企業で売上が伸びない理由

目標は多くの企業様で見える化されています。年間の売上目標や今月の売上目標などがそれにあたります。
しかし、目標到達(受注)までのプロセスと進捗が見える化されて、受注に向けての日々のゴール設定がされている企業様は多くありません。

受注や売上などの結果はまとめられていて、いかにも進捗管理がされている様に見えるのですが、受注に至るまでのプロセスの進捗管理は現場任せです。ABCとランク付けされていても、そのランク付けの根拠は現場の勘であったりします。

受注に至るまでのプロセスに関しての進捗管理がなぜ重要なのかと言うと下記の3点になります。

  • ベストなプロセスでなければ受注までの行動に無駄が多くなる。
  • 受注までのプロセスが明確でなければ数字予測が正確に出来ない。
  • 受注までの残りのプロセスが見えなければ営業マンも会社側も疲弊しやすい。

特に新規開拓などの長期的な取り組みでは、3の「受注までの残りのプロセスが見えなければ営業マンも会社側も疲弊しやすい」により、受注まで行動が継続出来なくなります。つまり、途中で行動を止めてしまいます。

多くの企業様で毎年毎年、新規開拓の目標が立てられるにもかかわらず達成されない、途中で挫折するのも、根本的には目標到達(受注)までのプロセスが見えずに会社、現場の営業マンともに行動が継続できない事が理由にあります。

成果を上げる為のゴール設定の方法

では、成果(受注、売上、利益)を上げる為にはどうすれば良いのでしょうか?

例えば、新規開拓など長い時間がかかり途中で挫折しやすいタスクは、長期間の取り組みになるシステム構築などの管理手法マイルストーンの設定が有効になります。

システム構築までには、要件定義~構築~動作検証などのプロセスがあり、そのプロセスごとにゴール(※例えばボタン一つでもどの様なボタンにするかなど)が細かく設定されています。

営業マンに置き直せば、受注までのプロセス(アポイント~初回訪問(ヒアリング)~提案、見積り~クロージング、受注)ごとにゴールを細かく設定して行くことになります。

初回訪問の際のゴールは?その為のヒアリング項目、シナリオ(トークスクリプト)は?そして、その為に必要な準備は?という様な設定です。

■ゴール設定の具体的な方法

では、具体的にはどうすれば良いのでしょうか?

プロセスごとにゴールを設定するには、まずは大元になる受注までのプロセスの整理が必要です。
それも、優秀な営業マンの受注へのベストな方法を受注から逆算して成功プロセスを設定する事が必要です。

これは、難しい様に思われがちですが優秀な営業マンへの取材から引き出す事が可能です。

出来れば、一人の優秀な営業マンではなく複数の優秀な営業マンを取材して共通の手法やプロセスを抽出。その上で表面的な手法ではなく要因分析まで行い、手法は各々の営業マンで工夫できる様にする事が特に重要です。

なぜなら、表面的な手法ですとあの人だから出来た、その得意先、環境だから出来る手法として横展開が拡がらないからです。その点、要因分析まで行えば後は各営業マンの工夫次第となります。

【表面的な手法と要因分析の例】
 ある店舗でのサービス:夏の暑い日に「かき氷」をサービスして好評。リピートにつながった。
 ・表面的な手法:かき氷
  → 当店には「かき氷」の機械は無いので出来ないなどと根本的な解決へ話が進みません。

 ・要因分析:暑い日にうれしい「冷たいもの」のサービス
  → 当店には「かき氷」の機械は無いが「アイスコーヒー」をサービスしようなどの展開が可能です。

年間、月間目標から週間、日々のスケジュールを組み立てる際に受注プロセスを元にゴール設定を明確に行う。
そして、設定したゴールに到達したかをチェックする。

これだけで、行動は成果(受注、売上、利益)へと直結して業績は向上し始めます。営業マンの方は数字が向上して数字進捗会議などの報告が楽になります。

夏だけの話ではないですが身体の疲労感に満足してしまう脳の誤解を解く為に、受注プロセスと行動のゴールを明確にして業績向上という明るい未来を手に入れませんか?

株式会社営業改善
営業コンサルタント
黒田昭彦

・書籍
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