営業の基本、お客様の見積りの評価基準は安いこと?

■お客様の価格の評価基準は「安い」ではありません!

企業の売上拡大の基本、土台は営業マンですが、お客様が営業マンを評価する基準は何なのでしょうか?と題して、前回はお客様が営業マンを評価する3つの基準「早い、うまい、安い」の「早い」「うまい」に関してご紹介させて頂きました。

今回は、残った最後の基準、でも一番重要な利益に関わるお客様が営業マンを評価する基準「安い」に関して考えてみたいと思います。

「安い」に関しては、値下げや割引という選択は一回忘れて頂きたいと思います。なぜなら、お客様の価格の評価基準は「安い」ではないからです。

では、どうすれば良いのか?

「安い」に関してお客様の予算内に収める事だと考えると分かりやすく実行しやすいかと思います。
 
どの企業様でもそうかと思いますが、一般的に営業マンが出す見積りが「安い」と言われる事は余りないと思います。得意先はなるべく安く買いたい。営業マンはなるべく高く売りたいのですから当たり前ですよね。
 
出来るだけコストを抑えたいお客様は、安いとは言わず、取りあえず高いと言うものです。

ですので、高いと言われてもお客様が払える範囲の予算内に収める事だけ考えましょう。但し、予算は必ず聞いてください。

これは誰でも出来る事で「予算はどれ位でお考えでしょうか?」「100万ですか、500万ですか、それとも1000万でしょうか?ご予算に応じて、ご提案出来るものはかなり変わりますので・・・」と聞けばよいのですが、実際には、営業マンが出来ていない事の上位に入るのではないでしょうか。

少し話がそれるかもしれませんが、予算の確認は営業の最重要ワークです。私は若い時分に、なぜ会社のスタッフは話に乗ってくれないのか?仕事じゃないか!と良く思っていました。
 
その時、上司、先輩から言われたのはスタッフを巻き込む能力が必要との事でしたが、なかなか理解出来ませんでした。

そして分かったのは「予算」が明確になっていない為に、スタッフにリアリティが伝わらないのかもしれないという事です。

営業マンの仕事の中で最も重要な仕事は、お客様から仕事を受注する事ですが、お客様から仕事を受注する上で最も重要な事は、「予算」を知る事です。

与件確認、ヒアリングの基本である5W2Hを考えると、思っている以上に全ての事項が確認出来ておらず、特に「予算」に関しては不明確な事が多くないでしょうか。

同じ課題でも、予算が100万、500万、1,000万では、提案出来る事は全く変わってきます。「予算」が得意先の条件に合致しなければ、企画(提案内容)以前に検討の土俵にも乗りません。

よくお客様が言う「提案内容は良かったけど、予算が合わなくて」いうのは、言い換えれば「予算が合わないから検討する事も出来なかった(お客様にとっては時間の無駄)」という事です。

そういう意味では、予算内だったが「提案内容がよくなかった」の方が営業マン的には、まだよい気がします。

5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)も重要ですが、+1H(予算)が聞けていない(ハッキリと確認出来なかった)為に契約(受注)につながらなかった例は非常に多い気がします。

極論にはなりますが、5W1Hを一切聞けていなくても営業マンは予算だけは聞かなければならないと思います。

あとは、融通を利かします。要は値引きですが、意味のない値引きは不信感を招きますので、得意先の予算内に収めるまでが限度で値引き分は「会社にどう報告したらよいですか?」と条件を出してもらうように努める事が重要です。

一緒に考えると仲間意識のようなものが出来る場合もあります。

値上げも大変ですが、実は値段を下げるのも大変です。なぜなら、理由が正当でなければ不信感を招き信頼を失った営業マンほど辛いものはありません。

■お客様の評価基準「安い」を満たす見積りの条件

その上で、適正な価格提示(お客様が納得出来る見え感)になる様に、下記を意識しましょう。

「見積り」

・項目を考える(必要な工程を項目として考える)

・項目にかかる時間と付加価値を踏まえた上で値段をつける

・世間の価格を調べる

・営業管理費、進行管理費は出来るだけつける

利益額がどうであれ、お客様が「安い(適切、予算内)」と思うかどうかが重要です。
 
仮に利益率が100%でも得意先が「安い」と思えば、それは安価ですし、赤字でも得意先が「高い」と思うならそれは高い(妥当ではない)となります。

以上が、お客様の「安い」とそれを引き出すための予算確認の重要性です。

お客様が評価する視点で考えると営業は変わります。ぜひ自分が営業された時のことを思い出しながら営業してみてください。
見る見るうちに結果が変わります!

「営業改善」代表:黒田昭彦

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