社長や経営層の方からのお悩みの多くは社員の方に関するものではないでしょうか?
例えば、経営者の営業部門に関するお悩みに営業部門の動きが良くない。雰囲気が良くない。受身なので困る。もっと新規開拓を進める積極性が欲しいなどがあります。
今回は、営業部門の動きが活性化する為の方法をご紹介します。
目次
■営業が何をしているのか分からないというお悩み
営業のコンサルタントをしていると営業の動きを変えたい。営業は、既存の対応で手いっぱいというが、社内にいる事が多い!でも、何をしているのかが分からない・・というお悩みを初回訪問で訴えられます。
改善の工程を設計するには、目標と現状を把握して、その差異(ギャップ)を埋める具体的な方法を考える必要があります。
現状の不満→思っている事と違う→思っている事=改善目標!ですから、目標に関しては実は明確です。
ただ、原因や現状は検討をつけることは出来ても、すぐに把握は出来ません。
営業が何をしているのか分からないというお悩みはよくある話で、ブラックボックスになりがちな営業部門は特に分からない部署だとも言えます。
逆に何をしているのかを把握できていれば、現状が分かって解決の為の手を考える事が可能です。
■営業部門の現状を「見える化」する方法
では、どうすれば営業部門の現状を把握、「見える化」できるのでしょうか?
一つのヒントにダイエットがあります。
ダイエットも目標(理想の体重)を設定する事から始まり、体重計で現状を把握して、その差異(ギャップ)を埋める為に具体的に何をするか(運動?食事制限?)を考えるのがスタートになります。
そして、ダイエットの手法の一つにレコーディングダイエットというものがあります。方法は、その日食べたものや飲んだものを全て記録していくというものです。
そして、その記録を元に自分が取っている食事の内容、間食を自覚して、食生活の改善につなげるという方法です。
レコーディングダイエットは記録するだけですが、その記録するという現状の把握が重要なポイントになります。
これを営業部門に置き換えてみます。つまり、営業の方のその日一日の活動を商談も移動も資料作成も上司への報連相も全て記録していけば良いのです。
■現状業務を「見える化」する手法「15分スケジュール」
現状の業務を記録して今どの様な業務をしているかを把握して、現状業務を「見える化」する手法の一つに「15分スケジュール」があります。
「15分スケジュール」とは、1日の業務を15分単位でスケジューリング及び記録するツールで、1時間刻みで予定を立てるバーチカル手帳の15分版になります。
「15分スケジュール」は15分単位で細かく自分の業務の予定と記録の2点を入力、チェックしていきますので現状把握には持って来いのツールと言えます。
15分刻みというとかなり手間がかかり面倒がられるのではないかと思われるかもしれませんがご安心ください。
「15分スケジュール」には様々なメリットがあります。ですので「15分スケジュール」は最初の1~2週間を超えさえすれば、使う側の方が逆に離さないツールになって行きます。
■「15分スケジュール」のメリット
「15分スケジュール」のメリットを整理してみます。
会社側のメリットと社員側のメリットは共通しています。
【共通のメリット】
・業務内容の見える化
・目標「あるべき姿」への時間の効率的な再配置
・業務効率のアップ
【社員様のメリット】
・TO-DOリストでは出来ない優先順位の明確化
・業務の時間見積りの明確化による段取りの向上
・スキマ時間の活用
「15分スケジュール」は導入初期にかかる手間がネックになり、やらず嫌いな人も多いツールですが、本来は多忙なビジネスマンにこそ有効なツールになります。
「15分スケジュール」で現状を把握できれば、改善の工程設計は最終段階、目標と現状の差異(ギャップ)を埋める具体的な方法を考える段階に入れます。
目標のあるべき姿と異なる業務を仕分けして、あるべき姿へのシフトを進めていきます。
■営業部門が動き出す為に必要なことは?
営業部門の動きが良くないは、経営者の方のお悩みに多いのかもしれませんが、逆に言うとなぜよくないのでしょうか?
先程の「15分スケジュール」と同じ様に、営業部門が動かない現状を把握するツールに「週間スケジュール」というツールがあります。
名前の通り1週間の予定を明確にするツールですが、これは営業部門が動かない現状を把握するには最適のツールとなります。
ポイントはフォーマットではなく、使い方にあります。
結論から言えば、「週間スケジュール」は個人で使うのも有効なのですが、管理ツールとして現場の営業マンが業務で今つかえている部分(ボトルネック)を把握する為に使うと更に有用なのです。
現場の営業マンも別に業務を推進したくない訳ではなく、何らかの事情で止まる事が多いと考えると、そのつかえている所(現状)を解決すれば動き出すという訳です。
事実、目標数字を達成するチームと達成出来ないチームの違いは「週間スケジュール」をうまく使えているか、いないかだけであったりします。
■コミュニケーションの量を増大させる
営業部門の行動改善の為に必要な2つの施策「15分スケジュール」と「週間スケジュール」をご紹介してきました。
ここで最後に最も重要な事をお伝えします。
営業部門が動き出すには実はコミュニケーションの量が重要なのです。
なんだ、そんな当たり前の事と仰られる方も多いかもしれません。ただ胸に手を当ててよくお考えいただきたいのですが、知っている事と出来ている事は違います。
経営者様と社員様、管理職の方とチームメンバーの方々のコミュニケーション量はいかがでしょうか?
効率化は重要ですが、その為にコミュニケーション量が減っては本末転倒で、特に営業部門は受注というゴールへの到達に向けて調整事項も多い事から、その影響は大きくなってきます。
「15分スケジュール」と「週間スケジュール」もコミュニケーションという土台があって有効に動き出すツールである事をご認識いただければと思います。
売上アップに向けての営業の改善は、コミュニケーションの土台の上で「週間スケジュール」を使い、今つかえている部分(ボトルネック)を排除する。
そして、「15分スケジュール」であるべき姿(目標)へと移行する事で達成されます。
プロジェクトのスタート月は週に1回のペースで、月に4回のミーティングを行い調整事項をフィックスさせる。
以降、3ヶ月は月に1~2回のPDCAを行い定着を図る。
5か月目以降は定着を風土化させて自走していく。
自社の営業部門が、6ヶ月で見違える様に変わる事は可能です。
御社でも「15分スケジュール」と「週間スケジュール」の2つの施策を試してみませんか?。
「営業改善」代表:黒田昭彦
【記事】
・雑誌「近代中小企業」に連載した「見える化」などの記事、テレワーク成功の3つのポイントと注意点を公開しています。
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